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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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男性向けエロが今、男性を襲う!2021年4月13日少子化で生徒数が減少し、女学園と男子校が合併した事からラッキースケベを発動しだした海原まとめは、異性にとんでもないエロアクシデントを引き寄せまくる。そんな彼女に唯一、鉄拳制裁を加える暴力ヒロインの血を引いた武闘家のイトコ・集とひょんな事から同居生活を始め、二人の周りに様々な属性達が集まり、ドタバタ波乱の学園斬新ラブコメ。
今まで考えられそうで描かれてこなかった男女逆転版、少女漫画のお約束的展開とキャラクターが丸ごとギュッと詰め込まれた本作。まさか立場が入れ替わるだけでこんなに面白いとは!他にも、色気ダダ漏れな誘惑オープンエロヒロインや金髪高飛車お嬢様、地味系ガリ勉眼鏡っ娘、SM気質、動物好きの天然癒し系、年上褐色肌ヒロインなど属性の宝庫!またお決まりの展開に「分かる!」「よく見るやつ!」だと深く頷けるのもまた堪らん快感で、ド定番にも関わらず、腰から砕け落ちそうな笑撃も。描かれるエロも官能的というより、破廉恥で滑稽。近年、鬱な後味やシリアスで重ための作風が流行りがちですが、本作は真逆。可愛らしい絵柄で描かれた登場人物は皆、悪意なく、ポジティブで前向き。終始これでもかといわんばかりに高度なギャグとセンスの塊みたいな言い回し、軽快なテンポで次から次へと躊躇いなくページをめくらせてくれます!豪快に吹き出して笑った後も、ジワジワと寄せては返す笑いの波に、明るい気持ちになれるのが最高です。そう、難しいことは何も考えず、気軽に読めちゃう上に極楽な気分を味わえるなんて、まさに手ぶらで五ツ星の高級ホテルに泊まれちゃうようなラクジュアリー感。
最初は、イトコといえど、かかされた恥 破られた服 数知れずでエロをぶちかましてくる痴 女(まとめ)を「鬼門だ厄災だ」と悪態ついて遠ざける集でしたが、次第に心開き、恋心をも抱いていく姿は何とも可愛く、そしてチョロい、でもやっぱり可愛いのミルフィーユ状態。個人的には真打ちライバルとして登場以降、まとめ、集と三角関係にあるルカの天然なのか、あざといのか分からない不思議な魅力がドツボ。まとめちゃん、あらゆる意味で罪深い女...。そんな三人の恋の行方を含めた、属性達の運命から今後も目が離せません。 -
3人目のNANAがいたら共感できたかも2021年4月12日「天使なんかじゃない」「ご近所物語」「Paradise Kiss」など類い稀なる才能で読者の瞳を輝かせ続けた少女漫画界の大御所・矢沢あい先生の代表作の1つ。本作でも光が射し込む透明感溢れる描写は非の打ち所がないほどに美しく、スタイリッシュな人物像や映画の様なドラマティックな構成に何度読んでも心踊らされます!ただ、物語としての完成度や軽快さは前作より低く感じられ、どちらのNANAにも感情移入が難しいというのが率直な感想。特にハチこと奈々の中毒的な恋愛依存性、言動もいちいち男性によってコロコロ変わったり、被害者意識が強く思い込みが激しかったりと次第に苛立ちが募る一方。もう一人のナナもサバサバした性格かと思いきや、ヤンデレで重暗く、実はいちばん女々しいのがツラい。初読だった10代の時は同じ地方出身で上京する身だったこともあり、都会での新生活や華々しい業界、お洒落な人達への憧れが重なってありましたが、今読むと物語自体が薄っぺらく感じ、理解も共感もし難い少女漫画的展開と発想だなぁとしか思えません。要するに芸能界という小さな世界の、トラネスとブラストという更に狭い狭いコミュニティの間で急速にくっついたり離れたりする少年少女達の物語で、中盤から昼ドラ的なドロドロ感満載。相関図も非常に複雑になり、過去編未来編と頭もちんぷんかんぷん。また長い番外編でしかキャラクターの背景を深く掘り下げられないというのもどうなんでしょう。全話の冒頭と最後には必ず二人のNANAによる意味深なポエムが入り、最初はハラハラドキドキしながら考察しましたが、こうも長く伏線回収されないままワンパターンでクドく繰り返されると、もうどうなってもいいやと興醒めせざるを得ません。今は先生が病気で療養中のため長期休載されてますが、果たしてキチンと完結されるかが疑問。1日も早い回復と復活を期待します。胸を張って不朽の名作です!とは言いづらく、青春時代の一冊として紹介させてください。
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