巻くんはモテるけど恋がヘタ
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巻くんはモテるけど恋がヘタ

深澤ねじ

たまにツッコミ不在のラブコメ

ネタバレ
2020年9月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みを見て、面白そうだったので購入。
昔からモテて女に不自由したことがない故に、自分から女性を好きになったことがなかったヒーロー。
ある日、唯一公私混同せずに自分に接してくれて、後輩として可愛がっていたヒロインに告白される。ヒロインも他の女と同じだったかと失望したヒーローは告白した理由を聞くことなく反射的に振ってしまう。振ればきっと他の女と同じ態度を取るだろうと予測していたヒーローに対し、ヒロインは思いもしない反応を返してきて…。
その日から無自覚にヒロインに惹かれるようになったヒーローの、ポンコツ恋愛の日々が始まる。

公式あらすじだとヒーローは恋愛経験ありと書かれているが、実際は男女交際経験ありとするのが正しく、初恋すらまだだったという恋愛童貞。
故に自分のヒロインへの気持ちがなんなのか理解できず、ヒロインと接触して抱いたときめきや心の乱れを、あさってに解釈してはヒーローの同期兼友人たちを困惑させるというのが、前半の話の基本パターン。
前半で描かれるヒーローの恋愛ポンコツぶりが話の一つのポイントだとは思うし、ヒロインと接した時のヒーローの態度が萌えポイントなんだが、エピソードをいくら積んでもなかなかヒーローが恋だと自覚してくれないし、ヒーロー友人は気づいててちゃんと突っ込まないしで、徐々にイラッとき始めたところで当て馬くん(仮・ヒロイン同期、美形)登場。ヒーローに言いたいことを全部言ってくれてめっちゃスッキリ。やはり天然ボケでもボケにツッコミは不可欠なのだと実感させられた。
そういう意味ではこの作品はヒロインもヒーローほどではないがボケ要素がうっすらあるので、当て馬くんには今後も是非ツッコミに当て馬にと頑張ってほしい。
当て馬くんのおかげで1巻のうちにヒーローが恋心を自覚したが、タイトル通り恋愛ベタというか恋愛音痴なため暴走。ヒロインへのアプローチに失敗し拒絶されたところで1巻終了。タイトルの本気回収は次巻からかな。
読んでいて私的に若干地雷というか引っかかる要素(ヒーローが過去に好きでもない女たちとガッツリ付き合っていたくせに一方的に嫌悪するナチュラルクズ思考とか、ヒロインは仕事のできる上司に対する尊敬と憧れを、ヒーローへの恋と勘違いしてそうに見える時があるとか)があるので、次巻以降その辺の地雷が変に拡大しなければいいな。
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