報復刑
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報復刑

トータス杉村

お見事。

ネタバレ
2020年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 発想そのものはそこまで際立ってはいません。仇討ちが合法化された社会は実際に存在したこともあります(日本の江戸時代など)。システムは前提として、その状況下で生まれるドラマを丁寧に描いた手法もスタンダードです。
ただ、どのエピソードもきちんと人間性を見据えてよく作りこまれており、むしろ奇をてらっておらず高い共感が得られる内容であるところに、満点。
冤罪のケース、加害者家族と被害者家族が同一になるケース、システム自体が別件の復讐に利用されるケース、仇討ちをした人のその後など。
どのエピソードも、きちんと考えて作られています。
個人的にはもう少し救いの多い甘めの展開の方が好きですが、どんな報復をしても死者は戻らないという現実を前提にした話ですから、アンハッピーエンド傾向の方がリアリティがあるとも言えますね。
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