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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


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すっごい面白い。ザ・名作。2024年3月24日金と欲。人間の根源的なテーマの一つだと思います。取り繕いを捨てた本音の部分でそこに向き合った作品で、最初から最後までどのエピソードも強烈に苦いながらに面白い。主人公の女性は美人ではなく心もきれいとは言えないが、ある意味で哀しいくらい賢い人で、彼女の壮絶な生き方が生まれた背景は説得力のある物語で描かれています。
これ、ドラマ化してくれないかな。そしたら絶対に観る。いいね
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面白かった。もっと長編でもいい。2023年9月10日名前は変えてありますが、モデルの大名は誰でも一瞬で分かるレベルです。いっそ織田信長としてしまっても面白かったと思いますが、さすがにそれだと、実在しなかった人間ははめ込みにくいですね。架空の大名としているから自由に書けるということでしょう。そして濃姫や明智光秀のオマージュのキャラも、奥行きと立体感のある描写で良かったです。読み終わった後には、寂しい夢を見たような儚い気分になりました。秀作です。
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エンディングの完成度に脱帽。2022年11月2日序盤からぽつぽつと張っていた伏線を、最後のあたりですべて回収したのが実にすごいです。ラスボスにあたるキャラの無限に近い強さの源と哀しさ、人の心を維持したままで覚醒する真の方法、それらを全てそれまでに語った物語の結論として見せて完結しました。本当に最初からこの結論を目指して話を作ってきたんだろう、と分かる展開になっています。そして、もう1つのポイントが、恋愛ネタがゼロに近いのに登場キャラが非常にウェットであるところ。彼ら彼女らは、常に命がけのギリギリの最前線で、ほぼ恋愛をせず、ただ運命を共にする戦友との心の絆だけを重んじて生きています。性別も年齢も関係なく、ただ友情と信頼と尊敬がすべての人間関係。そこがとてつもなく幻想的で、独特の美しさを醸し出しています。心に残る名作です。
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綺麗にまとまってました。2022年9月24日面白かったです。登場人物が細い糸を手繰るようにルールを見つけていく様子もいいし、蘇生を繰り返す中で誰ひとり自分のパートナーを決して離さない展開としたこともスッキリして返って良かったです。その点と、登場人物がみな若いことで、全体的に少女マンガ的な雰囲気でまとまっていました。親子や中年夫婦の組み合せを入れて話を膨らませても良かったと思いますが、それではテーマがぼやけたかもしれないので、やはり、あくまで特殊な状況での10代の恋愛ストーリーで貫いて正解ですね。
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新撰組ファンのための作品ですね2022年7月18日油小路の変や近藤勇の襲撃など、史実のイベントを丁寧に拾って、その上でヒロインを上手に絡めていることから、いわゆるドリーム小説のような二次創作が好きで新選組のファンの人なら、ゲームを知らなくても楽しく読めると思います。独立した物語として伏線を回収したり起承転結をつけたり、ということは最初から視野に入れていない作品だと感じました。
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女性が読んでもSFとして面白い。2022年1月8日「大奥」の男性視点で極端なバージョンですかね。残った男性が世界で数名というレベルなので、女性だけで構成された社会の中では男性との性的な関係そのものが非常にレアな特典であり、さらに現実の妊娠出産は夢物語に近いサクセスストーリーの類というのが社会の共通認識。だから数少ない男性には女性がこぞって群がるし、政府も美女を集めて子作りを全面的にバックアップする、というのはうまくできている設定です。妊娠すれば、以降の出産も子育ても政府の保護が受けられる上に自分の社会的ステータスが跳ね上がるわけですから、女性が並外れて積極的な態度で誘惑することに強い説得力があります。妊娠が絶対的に祝福されるというのは、ある意味で女性にとっても夢の社会です。……マンガとしては、実際に行為する肌色のシーンがもっと少なければ女性読者が増えると思うのですが、それだと逆に男性読者が減るのですかね……
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深いです。2021年12月22日お金がすべてじゃない!というのは簡単ですが、お金がないと生活できないんですよね。
お金を借りる人個々のエピソードも印象深かったですが、個人的に主人公の奥さんが特にポイントでした。上司に罵倒され部下に突き上げられて歯を食いしばって収入を維持してる旦那さんに「お給料減らさないでね。身体を壊さないでね。生活レベルが下がるのはイヤだもの、お願いね」と何の悪意もなく言えてしまう神経が凄いなあと。女から見ても、この奥さんを愛して守ろうと考えられる主人公は聖人の域ですね。夫にこんな思いをさせてまで裕福な生活をするなんて耐えられそうもないので、自分の夫にするのは真っ平ですが。いいね
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祈りを込めて描かれた作品。2021年5月24日どちらかというと可愛いタッチで、戦争の恐ろしさ、悲惨さを正面からきっちり描き切っています。どの一作も、読んでいて居たたまれなくなるほどの理不尽な苦しみと悲しみに満ちています。それでも、その中にどの作品でも、互いに助け合い労わりあう人と人との絆、そして小さな救いを描きこんだことが読者の慰めになり、作者の祈りにも読める一作でした。満州からの引き上げや沖縄の話は、若い人にはもう知らない方も多いと思います。忘れないで、との願いを込めて、ぜひ多くの人に読んでほしいです。
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ものすごい名作だと思う。2021年3月30日この作者のマンガは他にも読んでますが、これは他の作品とは哲学を共有しながらも一線を画した作品です。
決して特別なヒーローではない、どこにでもいるような定年近い年齢の平凡なサラリーマンの、内に秘めた情熱と魂の輝き。
心からすごい、と思うのが、客観的には社会的な敗者としか語れない主人公が、ひと欠片もみじめではない、一個の充実した人生として描かれていることです。一度しかない人生をこんなふうに送れるならそれもいい。読者にそう思わせてしまう説得力は、この作家の力量でしょうか。現実の社会を否定せず戦わず、静かに真っ向から向き合って、「うん、そうだね。でも、こんな生き方もいいと俺は思うよ」と作者が返した言葉のような作品でした。
今こそ現代の若者に読んでもらいたいです。 -
掘り出し物でした。2021年3月4日どの話もそこそこよくできていて、綺麗にまとまっています。ただ、最後から2つ目の「大切なともだち」は、頭ひとつ分抜きんでていました(なぜか目次から抜けているような?)。キャラ設定もストーリー展開も結末も、収録されている他の話より確実に一回り上です。そっちの話を本のトップにしても良かったのに、と感じました。難しい点としては、ターゲットの読者の年齢層ですね。ティーンの少女たちより大人に伝わる怖さですが、絵柄や見せ方は少女マンガなので。しかし前述の話だけでも読む価値はありです。
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凄い。説明できない面白さ。2021年1月17日漫画や小説は、あらすじで「面白そう」と感じるものと、実際に読んでみて初めて面白さが分かるものがあります。後者はキャラの魅力やストーリーの運び方、絶妙なテンポ、不思議な勢いで目が離せなくなるわけですが、本作は間違いなくそれです。無料版で1冊読んで、迷わず続き買ってしまいました。
……いや、あらすじも十分に斬新ではあります。忍者と極道の江戸時代から現代に至る戦い、という話は確実に生まれて初めて読みましたし、そこへ美少女アニメオタク要素が入るに至っては脳がスパークしそうになるレベルです。
しかし、その設定を超えるキャラの魅力、セリフやキャラ名のセンス、シーン描写の迫力。
読んでいて、笑えばいいのか、キャラに共感して切ない気分になればいいのか全く分からないのですが、とにかく無茶苦茶で面白い。
続きもきっと買っちゃいます。 -
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名作!一読の価値あり。2020年12月28日説明文から「報復刑」を連想する方もいると思いますが、発想の違いが興味深い。
「報復刑」が殺人で有罪判決を受けた者が対象であるのに対し、本作は刑法で加害者が裁けず現実では被害者が泣き寝入りするしかないケースのみが対象です。
恨む相手がその罪で正規の刑に服した場合は報復できないことを明記して、イジメ、パワハラ、家庭内暴力、不倫などの傷つく側は精神が破壊されるほどのダメージを受けても加害者は現行法では罪にならないケースに焦点を絞ったところが「報復刑」と根本的に異なっています。
きっちりとした「審査」があって、逆恨みや自分勝手な理由による利用も、服役した殺人者に対する報復も認めず、その狭間の「正当性はあるが現行法では裁けない」被害の救済を対象としたところに新しい面白さを感じました。
もっともっと続きを読みたいレベルの作品ですが、面白さの絶頂で終わって読者に色々と想像の余地を残したところも含めて満点としました。 -
ひと昔前の物語として、面白い。2020年12月19日時代劇とまでは言いませんが、
「このころはそんな価値観だったのねえ」
と距離を置いて眺める面白さですね。
もちろん時代設定はそこまで昔ではないですが、場所を山村に設定したことで、描かれる価値観は相当古いものになっています。
女性は嫁いで子を産むもの、夫の実家に入って家を継ぐもの、家族のために無報酬で無制限に労働するもの、それが女の幸せ。
現代の若い女性には決して共感できない価値観の社会にも、周囲との相性と本人の生き方次第で幸せはあったのだ、と読みました。
自分が老いたころには、若い人たちの価値観はどうなっているのでしょうか。それを思うと、自分もこの話の大姑くらいの長生きをしたくなりました。いいね
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ずん…と胸に響いた。2020年11月18日男はいつまでも子供で父になりきれないのに、女は鬼と化しても魂が母であることから逃れられない。
そんな解釈で人の"業"を描いた作品と感じました。
題名通り、どこまでも父の影は薄く、母への思慕と母との茨の柵を描いた作品です。
事件のそもそもの火種になった父親への恨みがヒロインにないのは、もとより父は娘にとってかけがえのない存在
ではなかったからでしょうか。
ヒロインの半生を貫く母への怒りは、かつて母だけが娘の世界の柱であり、信頼と愛情の礎だったことの裏返しと読めました。
そして癒えない傷、埋められない溝があってなお、娘が最後に縋る相手は母で、母は娘の手を取った希望の持てるエンディングに、満点を。
秀作です。 -
あえての満点。2020年9月22日結末がちょっと寂しかったのは他のレビュー通りですが、そこに至るまでの定番の面白さに、あえて満点をつけます。
題材は麻雀ですが、キャラと展開は少年マンガの王道まっしぐら。
普通の少年が突然放り込まれた非日常の戦い、敵と戦闘後に育む友情、覚醒する特殊能力、そして目指すラスボス。
献身的な可愛いヒロインに生き別れの家族もついて、文句なしです。
ジャンプに載せてもいいくらいのヒーロー物語が、麻雀・宗教・具体的な残酷描写の3要素で重たい雰囲気をまとわせているのが一興と感じる一作でした。いいね
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感染の混乱の中で。2020年7月1日2020年7月。何年か先にこのレビューを読む人のために、年月を入れます。今、某ウイルスのために世界すべての国が混乱の渦に巻き込まれ、日本では最も感染者数の多い東京からは他県への帰省もかないません。最初にこの作品を見つけたときは安易に今の社会状況に便乗した安っぽい時事ネタだと思い込んで、怒りすら抱きました。発表が2011年と知った後の何とも言えないやるせなさは、筆舌に尽くしがたいです。現実になどなるはずのない物語としてこの作品を書かれた作者の方は、まさに現在の惨状をすべてそのままに描き出し、感染者やその家族や医療従事者の思いまでも的確に描き切ってしまっています。この話がほぼ現実になった世界に、実際に私たちは生きています。親しい人を失うことなく、現状が過去の思い出話となったころにまた、この作品を読み返したいと切に願います。
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読みごたえがあって良かったです。2020年5月25日用済みになって打ち捨てられたヒーローの末路。犯罪被害者の感情。生き甲斐が失われた先の生。
いずれも目新しいものはないですが、決して浅くはない立体感のある描き方で、十分おもしろかったです。いいね
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面白かった。すごく。2020年5月3日いい大人で日本史は人並みに知っているつもりでしたが、若松コロニーの存在は、このマンガで初めて知りました。
戊辰戦争後の会津の侍たちがどうなったかなど考えたことがありませんでしたが、こんな数奇な運命をたどった人々がいたのですね。
ドラマチックな史実を土台にし、物語として十分に面白い作品に仕上がっていて、もっと知名度が上がってもいいのにと思います。
うちの子供が小学校の高学年になったら読ませたいです。いいね
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