希望に満ちたBLのニューウェイヴ





2020年10月31日
虫歯先生についてレビューしないわけにはいきますまい。たなと先生が虫歯先生のファンだと知ったのをきっかけに『不死身の命日』を読んだのが最初でした。アートスペースと雑貨屋経営、インディーズCDレーベルのプロデュース業をするユタカが、その傍ら行う出張ホストで出会った強面のツカサは、実は見習い中のサキュバス。そのツカサをプロデュースすることをユタカが持ちかけて……という荒唐無稽な展開やサキュバスという設定から繰り出される心憎い演出や小道具(?)の数々が、ずっと地上から浮いているような浮遊感をともなって浴びせられ続けます。この軽さ。と萌えの両立が絶妙なバランスを生んでいます。『ちるちる』サイトにも書かれていますが、3Dを撮影したこだわりの表紙といい、本文中にいらすとやのフリー素材を放り込むなどセンスに溢れたレジェンド的1冊。

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