このレビューはネタバレを含みます▼
当初、他のシリーズよりも話のテンポがゆっくりな気もしたのですが、読み返してみるとこのくらいがよい。
寧ろ最終巻はもう少しゆっくりでも良かったかも。
狼の国の王子は白鹿と呼ばれる、先祖に白鹿を持つ白髪色白の者(男女問わず)を唯一の番として娶るのが慣例。
隣の大国との戦を終わらせるために友好の印として、狼の国に嫁ぐことになったルーイ。
でもルーイは身体に特殊な秘密を抱えてて…
その出自や身体のこともあり、自国で酷い扱いを受けてトラウマ持ちのルーイが夫のゼスと次第に心を通わせていく様にじんわり感動。
ゼスの番候補だったユルールもルーイの従者のマルジャもゼスの甥のジグルもみんな大好き。
ルーイの実父があまりにも酷い人でこの人どうにか懲らしめられないかな、と思っていました。
アズラクは複雑な思いもあってルーイに酷いことをしましたが、初めはザフラ(ルーイの母)の子供ということもあり、可愛がっていた部分もあったんじゃないかな。
母さまとアズラクの出会いや、その後をもう少し読みたかった。
ルーイのお母様も元気な頃は可憐な野に咲く花のような、陽だまりのような方でしたが、ルーイも美人ではないのかもしれないけど母から受け継いだ純真な心を持つ子で笑顔がとても温かくて愛おしい。
若干ラストがやや駆け足な気もしますが、5巻の限定版小冊子で他シリーズも含めた書店限定特典などを見れて、マルジャのその後も見られたしかなり満足です。