このレビューはネタバレを含みます▼
主人公を好きになれるかどうかで大きく評価が変わってくる作品です
ミステリーとしてはミステリーの定義からも外れず一話一話丁寧に作られており、大正時代の時代設定も当時の言葉遣いや時代背景などをちゃんと描いてくれています
絵もすっきりとしていて読みやすい作画だと思います
特殊設定もあるのですが、頼りきりにならずあくまで人間力が主体となる構成で最後に謎解きと同時にちゃんと読者を納得させてくれます
問題なのは主人公の性格です
特殊なチカラに振り回される薄幸の少女と言う設定なのですが、どちらかと言うとチカラのせいではなく主人公の幼稚さやデリカシーの無さ、思いやりの無さや自分勝手で思い込みが激しく、人の話を聞く耳を持たない傲慢さ、うまくいかない事を全てチカラのせいにしてしまう無責任さが引き起こしているものばかりです。
しかもまわりの主要人物はその少女を手放しで誉めちぎり、咎められる時にはチカラのせいという流れです
登場人物の中には主人公には何一つ悪いところなど無い素晴らしい女性だと独白するシーンもあります、正直主人公補正が過ぎるなろう系小説ばりにご都合主義にしか感じませんでした。
しかし
そもそもそういうものが少女漫画であり、それが嫌なら読むな!と言われればその通りなので私は途中でリタイアしました
もしかしたら最終的にはチカラのせいではなく、自分のせいだったと言うオチに向かうのかもしれませんが、例の独白シーンで完全に冷めてしまった私にはたどり着けませんでした…
作品の雰囲気は最初から一貫しているので、ためし読みで面白かった方は最後まで楽しめると思いますよ
主人公の性格を健気で一途で何事にも一生懸命で真面目過ぎるが故に不器用な少女と捉えられる方で、主人公に自分を重ね合わせ没入出来るタイプの方なら、最高の作品になるのではないでしょうか?