転生したら悪い国の娘でした。
」のレビュー

転生したら悪い国の娘でした。

月煮ゆう

読後感すっきり

2020年11月17日
今作は過去作と同じ世界観での敵国視点で、”自己犠牲”をテーマに終焉と解放を描いた物語といったところでしょうか。
過去作と同じく巻き込まれ主人公ですが、今回は敵国側にかつ男から女に転生し、ヒロインと敵対する立ち位置というのが新鮮でした。
月煮先生らしいコミカルでテンポの良い展開で読みやすかったです。
まあ正直、作者の頭の中にある設定の一部だけを見せられているって感じなので、詳しく突っ込んだら負けな世界観ではあります。
それと、今作は脇役キャラが個性的でとても好感が持てるキャラが多いのに、掘り下げが無さすぎて、一般通過キャラのごとく名前が覚えにくかったのが残念。
ですが、なんでか私はこの作品がすごく好きなんですよね。
終わり良ければ総て良しってことなのかもしれませんが、駆け足ぎみではあるけど理想の落としどころだったというか、スッキリとした気持ちで読み終えることができたのが大きい気がします。
何よりも主人公が女性体でも男らしく、ちゃんと自分の意思で選択できる主人公なのが良かった。
表立ったヒーローになれずとも、沢山の人の光にはなれたっていうのがグッときます。
恋愛感情ではないヒロインとの深い絆が素敵な作品でした。
2巻の描き下ろしで本編の補完もされているので本誌派の方にもおすすめです。
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