キラきらドロップライフ【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
宇佐木城
このレビューはネタバレを含みます▼
天界案内人というファンタジー要素があるからこその唐突な軽すぎる死の描写、女性の強○まがいの性表現、犯罪者スレスレのクズ人間たちetcと結構人を選びそうな作品だと感じました。
漫画としての表現(コマ割り、構図、演出)は巧みです。
BLでこういう絵が上手いっていうよりも漫画が上手いって思える作家さんはあまり見かけないので思わぬ発見でした。
そしてコンプレックスを抱える人間の繊細な心理描写や、胸糞なクズ人間を描くのが上手い。
ここまで描くと陰鬱なストーリーっぽいですがそんなことはなく、全体的にコミカルに描かれているので読みやすくなっています。
メインふたりもとても可愛いです。特に攻めの天使が嫉妬を覚えていく様にはニヤニヤさせられました。
そして最終話の神聖さたるや。少しずつコンプレックスと向き合わされていく感じ、まさに天使のささやきからの浄化って感じですごく良かったです。本編ラストの1枚絵も素敵。
ですが、何だろう…最終的に死んでしまったクズ人間たちが実は良い人だったみたいな描かれ方をするんですけどそれが全く腑に落ちない。
死んでからの魂の状態で心からの懺悔でもしてくれてたらまだ納得できた気もするけどそれも無し。
レオの彼女とかそれ洗脳されてない?って心配になるレベル。普通は結婚考えている彼女をソープで働かせて遊ぶ金を貢がせたりしない。
シューヤも受けを都合の良い金ヅル(返す気はない)にしておいて実は心配していた??
いやいやアンタ死ぬ直前に危ない橋渡らせようとしてたでしょうがって感じ。
結局は根っからの悪人はいませんでしたってオチにしたかったんだろうけど、あの後付けだけで今までの行動が清算されて良い人っぽくなるのは、ちょっと無理があるな〜と思ってしまいました。
そこだけ残念です。
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