雪の下のクオリア
」のレビュー

雪の下のクオリア

紀伊カンナ

花言葉がラストにふさわしくて素敵

ネタバレ
2020年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不愛想だけど世話焼きな先輩とワンコ属性な後輩の穏やかな日常ストーリーです。
終始淡々と進む、多くは語らない会話劇のようでした。季節を感じられる空気が本当に素敵。
ノンケとゲイである等身大の彼らの様子(関わり合い)がとてもリアルで、お互いにぽっかりと開いた穴の原因を自覚し向き合っていくまでの機微がじっくり丁寧に描かれています。
カンナ先生の作品のマイノリティについての言及って、読んでいくうちに自然と「自分が思う普通」という壁が良い意味で簡単に崩されていくんですよね。
いろんな人生があるんだな~自分が考える普通の枠なんてちっぽけなものなんだろうな~と思わされます。
ただこの作品は、リアルでもいそうな人たちの何てことない日常の一部が描かれているって感じで、かつ恋愛色は薄め(最後にキスのみ)なので、物語としての起伏は少ないし、それ故に物足りなく感じる方もいるかと思います。
私としても、とても素敵な作品だとは思うのですが、皆さんが絶賛されるほどにはハマれませんでした。
エトランゼのインパクトが強すぎたせいかもしれません。
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