このレビューはネタバレを含みます▼
ん~…結論から言うと、ハピエンで良かったです。それでも、読後のスッキリ感はなく、読んでる間のヒリヒリとした胸の痛みや重苦しさが、後遺症のように残るから…やっと掴んだ幸せと、自分で切り開く自分の人生を大切に生きて欲しいなぁ、と願わずにはいられません。
両親の顔も知らず、施設で育ったミヤ。嫌な事から逃げ出すために、施設を抜け出したミヤを拾った天王寺は、ホストクラブのオーナーで、ミヤに生きる術、生き残る手段を身体に覚えさせた張本人。お金を得て食う事、住む所に困る事はなくなっても、何か大切なものを失った気がします。他人からの妬みを受け、信じるものもない。自暴自棄にならず、自分を守るのは自分しかないのにな…誰彼構わず身体を委ねるのは痛いだけなのに…ミヤが辛すぎる。本当に好きなタマがいるなら、尚更ヒリヒリと痛む。
ミヤの行動に対するタマの感情は、一体なに?嫉妬で抱いた?にしても、またメシ行こうなと軽く誘うみたいなノリ。あれは傷つくなぁ…その後も、ミヤの告白を切り捨てたタマ。もうミヤの心はボロボロだ。タマは天王寺に嫉妬したんだろうけど、二人のすれ違いが切なすぎて胸がつまりそうです。タマもミヤも傷ついて遠回りしたあと、やっと気づいたタマ。ミヤの誕生日を祝うタマのカードに号泣です。
彼等の苦労を簡単に言ってしまってはいけないけど、クソみたいだった人生も『人生捨てたもんじゃない』と思いませんか?…これからは、二人(プラス弟くん)で笑って生きてやろうぜ!
重苦しいので、ちょっと表紙下の小ネタ。登場人物たちそれぞれの名前の由来は、大阪環状線からきているそうです。おぉ~。