僕達は純愛になりきれない
」のレビュー

僕達は純愛になりきれない

白桃めぐむ

作者の前作の作風が好きな方は要注意

ネタバレ
2020年12月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題。作者の前作が好きだったので読んでみたけど、前作がぽっちゃり女子の片思いダイエットラブコメだったのに対して、こちらは性描写ありドロドロダークな内容。
可愛い彼女なヒロインがいるのに同級生とセフ レ関係なヒーロー。その実態は、ヒロインに愛しているなら自分の言うことを聞いてと好きでもない女との性的関係を常に強要され続ける奴隷のような状態だった。ヒロインの言いなりになり、ヒロインにはろくに触れることはできずとも一途に想うヒーローであったが、次第にヒロインの闇が見えてきて…。
前作より作画能力は上がってて、絵はいいんだけど、内容が性的方面でグロい。いくら好きだからってヒロインの言いなりで他の女に童貞捧げて、指定された女を抱き続ける(しかも盗撮までされてるのを知ってる)ヒーローの精神状態が理解不能。そもそも告白シーンとかはあっても、ヒーローにとってヒロインの何が良かったか提示されないので、そこまでさせられて想い続けられるヒーローもキモチ悪い。
ヒロインは両親が不仲で、母親は愛人を自宅に連れ込み娘に見せびらかすビッ チ。しかもその愛人はヒロインを犯したくさい描写も入ると、ろくでもない環境。ヒロインが歪むのもわかるのだが、ヒーローを性的おもちゃにしている時点で同情心は薄れる。おそらくヒロインが母の愛人にされた好きでもない人間との性行為の強要を、愛人と同じ性別のヒーローに強いることで復讐心を満たしたいのだろうが、元凶の愛人本人は結局無傷で現在進行形でヒロインを蝕み続けているのだから、ヒロインの気が晴れることはあり得ず、ヒーローとの関係もいつまでも堂々巡り。
そんなヒロインの要望で、次はヒーローの幼なじみ女子が犠牲になりそうで、幼なじみにはなんとか逃げ切って欲しいわ。というか早くヒーローがヒロインの要求に本気で抗ってヒロインに向き合う展開にでもならないと、ヒロインは一生救われないし、ヒーローも転落するだけのただの胸クソグロ作品で終わってしまう。流石に作者はそうしない気だと思うが、今のままだと人気が出ずに早々に打ち切られそうな気が…。
自作を似たり寄ったりにしたくないのは表現の幅を広げる上ではありだと思うが、ここまで作風が両極端すぎるのは良し悪し。これで新規獲得しても前作は読まないだろうし、前作で気に入った人は引いて離れそうだし、チャレンジャーすぎる。
★本文を一部編集しました。
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