恋ひうた~和泉式部 異聞
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恋ひうた~和泉式部 異聞

江平洋巳

平安時代のリアル

ネタバレ
2020年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人間の心の動きというのは平安時代も今も変わらないんだろうなと、共感するところが多かったです。恋も愛も人それぞれの形があって、言葉で分かり合えるものでもなくて、でも信じたくて…切なく苦しい恋の話でしたが、最後は明るい終わり方だったのもとても好きです。主人公も好感の持てるキャラクターでしたが、清少納言の描かれ方もカッコよくて好きでした。
娘を持つ人間としては、和泉式部と引き離された娘の桂丸ちゃんは、愛を感じて生きられたのかな…と興味を持って調べてみたら、百人一首にも歌のある“小式部内侍”という歌人になっていて、若くして亡くなったものの逞しく生きたようだったので、その人生も気になりつつ安心しました。シリーズで外伝として小式部内侍の話も描いてほしいなとも思います。
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