連地獄~白薔薇編~
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連地獄~白薔薇編~

伊藤レイヂ

感動して一気に読んでしまった!オススメ

2020年12月11日
最初は、息子の片恋かなと思っていたけど、最初から読み返すと、父親の聖隆さんの方が狂おしく求めてる。全ての過去から許されたくて、藻掻く聖隆さんはダンディーで色っぽく、麗司が恋い焦がれるのも無理はないかなと。2人の想いが重なるシーンや2人の気安い会話のシーンは本当に幸せで、このまま生きていけば良いのにと思ったけれど、過去が追い掛けてきて聖隆さんを襲い、聖隆さん自身も自分を消し去る事で麗司を開放したかった。最後の手紙で、父親としての愛を語りながらも、最後は恋人の聖隆としての言葉で終わっていて、忘れてほしいと望みながら奪い尽くしたい本音が見えた。自分を病で始末してしまったのも、生きてる限り麗司を奪い尽くすだろうと分かっていたからかも。聖隆さんがいなくなってからは怒濤の展開で早足だけど、最後は麗司の中の少年が聖隆さんに駆け寄って寄り添って、涙が出た。麗司はきっと寿命尽きるまでしっかりと生きて、あの世話人のお爺さんみたいに聖隆さんに迎えて貰えるのかもしれないと思えた。きっと迎えに来た聖隆さんに一生分の文句を聞かせてスッキリしてから、強く成長した自分を誉めてって最後には甘えるのかも(妄想)聖隆さんにとって、麗司が運命だったように、麗司にも聖隆さんが運命だったんだと思う。読んで良かった!
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