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ライフ

すえのぶけいこ

いじめに理由はない。

2010年2月22日
壮絶ないじめ。ここまで非常しきだと、フィクションだなあと思いますが、いじめてる側がエスカレートしていく様子や、見てみぬふりをしようとする周りの様子や、なかなか気づかない親の様子などがリアルで、だからこそ痛かった。。

けれど、媚もせず、ひたすらに闘う主人公、最初はなんでこんなにすぐ罠にかかるの?とイライラしたが、普通の子である彼女が、等身大で闘う姿に胸をつかれました。

そして、その主人公、アユムに寄り添っていく、友達。本当の友達。友達ってなんだろうと考えさせられました。

また、いじめ側の主犯の女の子やその友人、彼氏?もそれぞれに理由があり、そのゆがみも丁寧に描かれていて、悪が産み出されるきっかけのようなものを感じました。だからといって同情してしまうように描いてはおらず、闘わず偽った人たち⇔その反対が主人公というように、いじめる側の悪をちゃんと描いてくれていてほっとします。

あなたが、いじめてるのは人間なんだよ、生きてるんだよ、オモチャじゃないんだよ、傷ついてるんだよ。
作中、主人公はずっと叫んでいます。

いじめられる方にも理由がある、という屁理屈を断罪するような話だと思いました。

重くて怖くて辛いけど、読んでみてほしいと思いました。
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