許婚は神主さま とびきり甘い運命の縁結び
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許婚は神主さま とびきり甘い運命の縁結び

石田累/芦原モカ

ヒロインが無理でした

ネタバレ
2020年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 数学の先生と生徒のお話が好きで、以降作者さん買いでずっと全部読んできましたが、最近質というかそんなに心に残らないものが増えて、今回の作品はトドメになりました。え、こんな描き方する方だっけ。。と思うほど、すべてのセリフや主人公の考え方、展開、どれもモヤっとする後味と共感できない視点が続き最後まで読むのが苦痛なところまできました。それでもなんとか、最後少し主人公もきちんと地に足がついた感じでよかったと思うのですが。。まず、ヒロインに知性がなさすぎ、子供すぎ。なのに上から目線でわがまま。心の声も最悪。処女だからって知らなすぎ空気読めなすぎ。経営コンサルタントの頭のいい人の設定ですが、なんで宮司とか知らないの?読めないとかあり得ないレベル。。ヒーローがつかみどころのないキャラクターでちゃんと描き切れていたらかなり魅力的になった設定だと思うのですが、その描き方も、天才故にどこか欠落していて人に興味ないところと、蛙を串刺しにしたときの快感と性的な快感が似てるという闇、それでもヒロインに対しての優しさや想い、、わかるんだけど、惜しいかな、どれも中途半端で生かせてない。何故か、今回はどの展開も言葉も全部ピントがずれてて、パズルのピースがぴたっとはまらない感が終始続きました。そして、尊敬出来ない、いい子だな素敵だと思うポイントがない、友達になりたくないと思うヒロインは、どう転んでも読むのが苦痛なものなんだな、とわかりました。最終的にもっと魅力的に変化した姿をしっかり描いてくれていたらよかったんですが、都会のブランドや年収に左右されない価値観になって嫁に来てめでたし、それだけ。あと、神職の資格が取れる唯一の大学、地元なので知ってる人間には一発でわかります。大学名の一部の「学」が「學」と書いてあったり、イニシャルがKなんて、実在する大学を臭わす必要性が小説にあったのでしょうか。「偏差値が低い誰も知らないような大学」と悪役の先輩が嘲笑うシーンのネタとして使うなら、全く違う架空のイニシャルの名前にしてほしかったです。日本で大切な役割を担う学校なのに悲しい。神社や文化、災害で神社を避難のスペースにしたことにヒロインがなんで?と思ったこと含めて、稚拙で思慮に欠け、神秘的な世界観も浅く、全編本当の意味でのこの世界・社会への理解がなさすぎました。残念です。
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