自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。
」のレビュー

自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。

蓮見ナツメ/しき

全巻読了

ネタバレ
2020年12月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ これは王子の物語です。婚約者の観察記録だから、本来のこの本の一人称は王子であるセシルなんですよね。その通り、セシルの成長物語だなぁー…と思っています。
ゲームのバーティアでなく、転生バーティアに救われ、世界の色を知り、心の色を知り、人形から人になっていったんですね。4巻でゲームのヒロインであるヒローニアとの物語を見たとき、ヒローニアが世界を色付けたとしても、結局、【玩具】の範疇を抜けないんだな、と切なくなりました。勿論、転生バーティアに対しても最初はそうだったので、5巻で更にこの物語を追うごとに、セシルはヒローニアに気持ちを傾けていくのかもしれませんが、味方なく只唯一のヒローニアでは、彼は救えないんじゃないかな?転生バーティアと関わることでゲームとは違う関係性を築いた“友人たち”も置き去り?と、諸々過り、やはりヒローニアでは、その域を脱せないこと、【転生バーティア】だからこその本質を際立たせられた気がします。セシルにもバーティアにも酷だけど、これはふたりにとっても周囲にとっても必要不可欠な展開。ピィちゃんもなんだか不憫で…原作が完結しているのは知っているけれど、できればピィちゃんにも幸せになってほしいと思います。
※ヒローニアは当て馬だから、多少、不幸になっても仕方ない…フィクションだ。
ちなみに、最終巻は完全にセシル目線。愉しませていただきました。終始ニコニコしながら時折り吹き出して読み切りました。

どうやら、元悪役令嬢な妻の観察日記という続編があるらしく、同一作者でコミカライズも決定とか。うれしいです!でも、隣国とかとの外交になってくるのかな?と思うと、こちらほどの面白さは期待できなさそうな…取り敢えず、1巻出てから様子見します!そちらが出たら、また感想更新しようと思います。
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