グルーヴ感が爽快。絵も、人も魅力的。





2020年12月15日
温かいBLが好きだけれど、ありきたりなストーリーや、人物が綺麗なだけで余白の多い絵柄はもう物足りないという方々にオススメ。一周回って、この熱量、バンドっていうテーマ、群像劇、脱リアルな絵柄、凝った背景が新鮮で格好いい。それにプラスして、このストーリーを進めていく人物たちが、皆個性的で、でも芯があって、心が綺麗。トータルパッケージとして、この作品は素晴らしいと思った。今のところ隠れた秀作だけれど、背景まで丹念に画として魅せるBLは少ないだけに、これから作者さんのファンは増え続ける予感。心が綺麗で外見の濃ゆい人物たちが奏でる熱い群像劇、という点では、他の先生の人気作『黄昏アウトフォーカス』シリーズに通じるところもあり、シリーズ読者にもオススメしたい。意外性のある展開や台詞といったものは少ないかもしれないけれど、グルーヴ感のある爽快な読書体験を求める時にピッタリの、素敵な作品。

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