このレビューはネタバレを含みます▼
「少年の境界」で作者様の徹底してストーリーを掘り下げて描かれる構成力に惚れ込み、以来既刊を含め電子書籍で買い集めています。今回新刊(2巻目)配信のため、未購入だった1巻と併せて購入しました。1巻は初の商業誌(デビューコミックス)とは思えない充足感。単行本なかほどにある「秘密の恋の届け先」が最初だそうで、その当て馬役のサイドストーリーが「きみがすなおになれるまで」「きみがすなおになれたとき」と続きます。そして、単行本冒頭に表題作の「蝶と花の関係性」「蝶と花の愛し方」、巻末に描き下ろしで「蝶と花とすなおになれた恋人たち」で全てのお話の主人公たちが集結する豪華な一冊です。実際の単話配信順とは掲載順が違うのですが、単行本にするにあたりこの順番にした作者様と担当者、出版社の演出にやられました。読み手の感情の振り回され方が尋常じゃありません、もちろんいい意味で。2巻目は蝶花オンリーのファン待望の一冊。SMを作者様ならではの視点で多角的に描かれていて、あとがきを読んでからもう一度最初から読むと、さらに世界が広がるようで、SMの奥深さを実感するとともに、一見読みやすく話が展開されているのに何重にも話が盛り込まれていて、作者様の手腕に感服してしまいます。皆さんのレビューで「中毒になる」というのが納得できる作品です。