関西人と覆面殺人鬼~セックスしていいから殺さんといて!
Mりあ
このレビューはネタバレを含みます▼
個人的には知らなかったのですが、話題作?らしいです。タイトルや表紙だけを見ると、ギャグ系か?とスルーしてきましたが、紙本の最終巻を見て何気にレビューを見たら…顔レビが泣き顔があり、ただのギャグコメディではなさそうで、一気に関心が向き購入。なるほど、これは深いです。ストーリーの奥深さに闇の深さも加わり、何とも表現し難い複雑な感情が渦巻いて、自分でもどう整理していいのかわかりません。たぶん他人のレビューを見ても、読んでみないと、自身で味わう事が出来ない感覚です。心の中の感情が右往左往と忙しく、ギャグ系にほっとしてみたり、ディータの辛い過去に悲しくなったり、行く先見えない二人に不安を覚えたり、レフの企てにゾッと怖くなったり、ずっと展開にハラハラしながら読んでました。太一のディータに対する感情は、確かにストックホルム症候群なのかもしれませんが、それが確かな愛情に変化した事も、紛れもない事実なんでしょう。殺人鬼のはずなのに、読んでる私も同情してしまうのですから、ある意味怖い心理です。ただ、罪は罪ですから、やはり遺族の心情を考えると、逃げる事はやめた方がいい。それがどれだけ辛い事でも、償ってきれいな身になるべきかなと思います。一生背負って苦しむなら、償って弔うべきかと……だから太一の最後の諭しは、少し疑問かなぁ。ディータと離れたくない気持ちはわかりますけど。人生リセットして再スタートを切って幸せになれたらいいなぁ、と願うばかりです。人それぞれに捉え方が違うし、何が正解かわかりません。なかなか難しいですね。でも読みごたえたっぷりの作品です。ちょっと疲れました。ちなみに紙本で3巻完結です。
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