転じて恋と生き
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転じて恋と生き

早寝電灯

前世も現世も幸せになって

ネタバレ
2021年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前世で伝えられなかった想いを来世で伝える、でもその来世が現世である2人は自分たちが前世の2人に飲み込まれてその人達そのものになりたいわけではない。前世の1人は現世の自分たちをのっとって2人で一緒にいたいと思い、もう1人は最後にきちんと会ってまた明日、と再会を誓う別れの挨拶をしたかったと伝え、お互いの心と魂を救って2人で一緒に去っていく。この場面がとてもとても切なくて、でも前世の2人の想いが成就した瞬間で、読んでいる自分の心にも2人の心情がさらさらと沁み渡り、静かに流れて去っていくような、読後に確かに何かが心に残る、そんな作品。ほとんどが伊織目線で進んでいくので、できたら伊織よりも早く記憶を認識していた達彦目線での回を読みたかった。多分、先に前世を意識していた達彦の方がいろいろあったと思うから。
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