残像スローモーション
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残像スローモーション

じゃのめ

映画を観たような読後感。

2021年1月12日
ズバリ、読み応えのある作品です。ただそれは、ストーリーが波乱に満ちているということではなくて。寧ろどちらかと言えば起伏は少なく、割と淡々と進んでゆきます。それでも新鮮で、他の作品に埋もれず印象に残るのは、一コマ一コマがまるで映画のワンシーンのようで、映画部ならではの意思の疎通、やりとりや少しずつ互いの心が近づく過程をつぶさに、テンポ良く描かれていること。そして何より、モノローグがとても素晴らしいからだと思います。作者さまのセンスが光っています。
身体を繋ぐシーンも、エロというよりは、いやエロいんだけれども、とにかく美しい。男とか女とかをも超越した色気を孕んでいて、溜め息が出ました。
仁くんも義一くんも、とても美形なのに思いのほか人間臭いところもまた、好感が持てますね。
1ページ1ページ、丁寧に噛み締めるように拝見しました。瞳の虹彩なんかも、本当に綺麗に描き込まれていて。ぜひ、じっくりと腰を据えて読むことをお勧めします。というか、必然的にそうなるかと思いますが(笑)
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