愛人・失格 ~嘘をもう一つだけ~【電子単行本】
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愛人・失格 ~嘘をもう一つだけ~【電子単行本】

仲垣友恵

秋山の妻は理学療法士と結ばれて円満解決

2021年1月17日
ヒロインと秋山ら人物の性格や言動・恥ずかしい描写などのツッコミ所も多数だが。
地味で冴えなくて引っ込み思案の女性から突然にクールな美人に豹変するヒロインとか。
また、秋山や筒井などの周囲の男性から突然にモテ始めたり。
お前は正義の味方かという感じで、ヒロインの危機には絶妙のタイミングで駆けつけ、必ずヒロインの救出をする秋山とか。
また、由緒正しい名家でもないだろうに長男というだけで、冴えない筒井の兄ばかりを偏愛し、努力家で優秀な次男筒井にはあまり愛情を向けてくれない筒井の両親とか。
そして最後まで読まなくても、今後のおおよその展開と結末さえも想像がつく。
たぶん、秋山の妻は爽やかイケメンの理学療法士と結ばれ、それで秋山との離婚にも同意してくれ、めでたく秋山とヒロインは結婚。
秋山の妻の方はこの素朴な好青年と出会い、初めて打算などとは無縁の無償で一途な本当の愛を知るという展開にでもするのだろう。
この話の中ではこうした一連の展開が考えられる限りでの、一番理想的な展開だろうし。
これもすごいご都合主義という印象だけど。
それで筒井の義姉緑は筒井と不倫しながらも実は筒井の兄を愛しているというオチで、緑は筒井兄とやり直し、残念ながら筒井はあぶれると思う。
という訳で私は最後まで読む必要は感じなかった。
それにしてもいろいろと中途半端な印象の話。
この中では秋山の妻や筒井が悪役のポジションだが、彼らも完全な悪には徹しきれていない印象も強い。
また、一見、刺激的でインモラルでセクシーな話と思わせておいて、実は秋山とヒロインの一途な純愛をアピールしたいようであるし。
実際に全然エロさもないし。
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