あの日地球にダンジョンが出現した(コミック)
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あの日地球にダンジョンが出現した(コミック)

はるちか/笠鳴小雨

ペラペラな感じ

ネタバレ
2021年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4巻完結まで

日本にダンジョンができる。このパターンは最早珍しくはありません。北海道が舞台のパターンもあるので、どうしてもそういう諸作品と比べてしまいます。それらと比較しても、今の所は成長譚も、ヒューマンドラマ的な要素も、緊迫するバトルアクションも、お色気も何もなく、ひたすら軽い作品です。唯一それらしきものは母の置き手紙くらいです。

常に2周目プレイのような感じで、命が危ない程の危険もありません。また魔物も倒すと消滅し、アイテムをドロップする形ですから、グロさがまったくなく、とても無機質な感じです。ゲームの世界に転移する作品ならわかるんですが、現実世界にダンジョンができる作品ですから、魔物が消滅してドロップする事がリアリティを下げ、作品の軽さを助長しています。

おまけに異世界の王がいくつか開けたと言っていたはずのダンジョンですが、どうやらそれに遭遇し、潜って強くなったのは主人公だけなのか、出てきたらいきなり世界ナンバーワンの強さです。

また、ナンバーワンの強さでありながら、北海道奪還作戦に参加したがらないのも意味がわかりません。力を隠してのんびり暮らしたいパターンの話は、あくまでも異世界に転移した場合であり、生まれ育った土地が魔物の危機に晒されていて、楽勝で勝てる強さがあるのに、あわよくば黙っていてやり過ごそうとするのは意味がわかりません。

そんな感じで、とにかく軽いペラペラな作品です。暇つぶしにちょうどいいライト感ですから、そういう時に読むといいですね。

と思っていたら、肝心の北海道奪還作戦前でコミカライズは打ち切りです。ようやく自分以外のシングルランカーも登場し、異世界からヴァンパイアを持ち帰ったりして話が膨らみそうだったんですけどね。

というわけで、自分としてはオススメできない作品です。
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