約束のネバーランド
」のレビュー

約束のネバーランド

白井カイウ/出水ぽすか

びっくりするぐらい良かった

ネタバレ
2021年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一巻無料に釣られて読んだら、止まらなくなりました。
これは本当に面白かったし、感動したし、考えさせられました。

戦闘シーンや恋愛のすったもんだの豊富なストーリーの流れが過激で、気持ちをぐらぐら揺さぶられるものは、心が疲れ気味の近年はしんどいなと感じてしまい、
何気ない日常を視点に進む、基本的に穏やかな作品ばかりを読んでいました。
そんなわたしでも、続きを読む手が止められなくなるほど、とにかく面白かった。
そしてもう序盤から、胸に迫るものがあり、ついつい泣いてしまうほど。
少年漫画特有の激しい戦闘シーンもあり、ストーリーのテーマ上、残酷性もあるのですが、
それを上回る、生きよう・守ろう・信じようとするパワーがあり、それだけでなく確かに残酷なシーンも辛い別れもあるのですが、その描き方が本当に素晴らしい。
読み手が落ち込みすぎない、でも苦さや重さは残る。
だけど1番残るのは絆や温かさ。



理由の1つに、子供たちの主要メンバーが傷は負っても、中々命までは落とさないことにあると思いました。
実際仲間は失いますが、読み手側が強く感情移入をしてしまう子ではない。
仲間を失った主人公たちの心情には痛みが寄りますが、あの子がいなくなるなんて…!というダメージが少ない。

大人はそれはもう辛い人ばかりでしたが、死=別れ・ただ悲しみ、という風に描いていない。
叶うならみんなで無事に辿り着いて欲しかったと思う反面、
そうなることが納得できるし、それが最良ではあるのだろうと思えました。
やっと会えたね、やっと楽になれるね、という安堵と温かさも残していきました。

全巻通して、わたしが1番揺さぶられたのは、序盤のフィルで、しかも本編のシーンもさることながら、おまけの間話に泣かされました。
にこっと笑って「待てるよ」と言ったシーンと、燃えるGFを後ろに、エマ達に「頑張るよ、大丈夫だよ」と決意をして、ママに声をかけるシーンは、もう思い出すだけで泣けるし、思わず抱きしめたくなるほどでした。
みんな素敵でしたが、わたしにとってのNo. 1はフィルです。
そして、負けを認めてからのママが素敵でした。
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