鳥かごのシンデレラ
」のレビュー

鳥かごのシンデレラ

ペニー・ジョーダン/篠原正美

作画と内容がぴったりハマった良作

ネタバレ
2021年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
べレア家の愛の呪縛シリーズ全4作のうちの1作目。「大富豪と手折られた花」(次女がヒロイン)、「ベネチアの真珠」(今作ヒーローの友人がヒーロー)、「拒めない誘惑」(ヒーローのはとこがヒロイン)と続き、今作カップルらがゲストで出るが、ベネチアと拒めないの2作はそれぞれ違う漫画家が作画を担当している。
弟妹がまだ幼い頃に奔放な俳優の両親が事故死し、長女だったヒロインは自身の夢を諦め、五人の弟妹の生活を支えるため親代わりとして弟妹の世話に明け暮れてきた。そんな姉の愛情に甘えまくり、次女は姉を家政婦扱いする上、自分とは真逆の容姿をコケ落とす。長男(双子)は姉への愛はあるが独占欲の強い腹黒。残りの弟妹は二人ほどはひどくはないが家事は姉に任せて、自分勝手に過ごす。そんな彼らを世話するヒロインの様子はほぼシンデレラ。
それを見かねた、ヒロイン母の二番目の夫の連れ子で、元義兄なヒーローは、ヒロインに弟妹の世話をやめるように強く言うが、環境に慣れきったヒロインは非難としか受け取らず耳を貸さない。正直言って、私もヒーローの意見に同感だったので、頑ななヒロインにモヤモヤ。でも、ヒーローもヒロインに強く言うだけでなく、弟妹、特に次女をまずは躾けるべきでないかとも思った。唯一ヒーローと血の繋がった妹だしね。途中かなり酷いこと言ってたしな。この妹が次のヒロインとか冗談でしょ?というぐらい性格悪いのが気になった。
ヒロインの態度に耐えかねたヒーローはついに実力行使に出て、ヒロインに自信をつけさせ、自分に振り向いてもらおうと三女も巻き込んで頑張り、ついにヒロインを手に入れるが、タイミング悪く仕事が入り、長男の妨害もあってヒロインに逃げられてしまう。
イタリアに逃げたヒロインは、家族と離れて一人になって、そこで出会ったマダムによって初めて目を開き、自分を変えようと努力を始める。ヒーローともようやくまともに向き合って、互いの気持ちを確認しあってのハッピーエンド。
適度な変身要素。脇のお茶目な作曲家や、優しいマダム夫妻にもほっこり。
ヒーローも激情型のとこはあるが、このヒロインにはこれぐらいじゃないと、あの恐ろしい弟妹と戦えないし、ヒロインも引っ張り出せないと思う。根底に愛があるのは傍目には一目瞭然だしね。
ヒロインの家出と結婚で弟妹もやっと姉離れ。ヒロインも解放されて読後はスッキリ。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!