このレビューはネタバレを含みます▼
期間限定読み放題。
この漫画家さんが担当する話は、大抵ヒーローは傲慢、ヒロインはそれに振り回されるものが多いのだが、今作は逆。
夫なったヒーローに愛され、自分が家計を支えているが故に、自分の希望は全て押し通せると思い込んでしまったヒロインが結婚後どんどん横暴に振る舞った結果、気持ちがすれ違い、別れてしまった夫婦がよりを戻すまでのお話。
男女の思考の違いもあると思うが、収入格差のある夫婦、特に妻が稼いでいる場合に関係をうまく継続させるのは難しいもので、どちらかが思いやりや気遣いをなくすと途端に関係は歪になるもの、というのを端的に表すエピソードがうまい。
別れのあとの7年間でヒロインは自分の失敗を自覚し、ヒーローもまたヒロインのわがままを受け入れなかった自分の心の狭さを後悔していたが、ヒーローが反省すべきは、まずヒロインの意見を受け入れて、大学院を卒業して講師になってからという自分の意見を下げて学生結婚してしまったことだろう。その後もヒロインの言うことはほぼ聞き入れて、研究が押すほどバイトする羽目になったり無理しすぎの合わせすぎ。結果ヒロインが横暴になったのだから、そっちを反省して欲しかった。結局ヒロインに甘いんだよね。
本当よくあるパターンとは逆の二人だわ。
大叔母のフォローで対話の機会をもって、互いに関係修復を願うようになり、色々あって再婚に至るが、大叔母がフォローしなかったら、この後も延々と互いに反省してはいても動かない夫婦だったんだろうな。そういう意味では大叔母が動くきっかけを作ってくれたヒーロー従弟とヒロイン姪にも感謝だね。
遠回りして大事なことに気づけたし、社会背景も対等になったし、今後はうまくいきそうで良かった。流石に子育てはうまく協力し合うと思いたい。