僕の番は猫紳士
」のレビュー

僕の番は猫紳士

アサナエアラタ

大好きなお話でした【英国編も良かった!】

ネタバレ
2021年1月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ セールにて作者様買い&モフモフ買い。少し特殊な獣人×オメガバース設定で猫の獣人外交官アレックスとΩの奉公人冬獅郎の、純粋な想いに胸を打たれるとても素敵なお話でした。

母親が店主の妾として見受けされ、母親が亡くなってからは代わりに慰み者として扱われていた過去を持つ冬獅郎。アレックスの元へ奉公にきていても、Ωである自分がいつ襲われるかとビクビクしている冬獅郎に胸が痛みます。
そんな辛い境遇の中生きてきた冬獅郎が、家族や友人と同じく、一人の対等な人間として自分を扱ってくれるアレックスに、戸惑いながらも心を開いていく様子が優しく描かれ、読んでいて温かい気持ちに。このアレックスの心優しいスパダリ猫紳士っぷりが眩しいくらいに素晴らしくて。彼が冬獅郎の為にするどんな些細な事でも全て、冬獅郎にとっては初めて感じる事ができた温かさ。その温もりに触れ、己の運命に逆らわず虐げられる事も受け入れてきた冬獅郎が、愛する人の為なら強くなれる、そんな純粋な曇りのない想いが素敵でした。

獣人である事、Ωである事で惹かれていく事に問題が出てきますが周りの人にも助けられながら乗り越えていきます。元々の奉公先の若旦那、浅井がまた気になる存在なんですよね。派手な脚色はありませんが、優しく心に沁み入るような温かいお話で、私は大好きでした。そして私も肉球触りたいー!!
【英国編】
楽しみにしていた英国編はアレックスの両親の元へ2人で向かう事になるお話で、上下巻、盛り沢山な内容でしっかりと読み応えもあり、とても良かったです!
今作でも、アレックスの幸せが1番である冬獅郎の揺らぐ事のない強い想いを十二分に感じる事ができますが、アレックス自身の事についても深く掘り下げられていて、そうだったんだ・・と驚きました。困難を前に、禁忌とされる2人の更に深まる愛を堪能できる英国編、ラストには嬉しい報告もあって、下巻の幸せ溢れる表紙絵そのままに、とっても温かく幸せな読後感でした。
いいねしたユーザ12人
レビューをシェアしよう!