ロンリープレイグラウンド
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ロンリープレイグラウンド

ダヨオ

人の心の機微を描く繊細な物語

ネタバレ
2021年1月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少し前のセールで作者さん買いです。さすが年下攻め彼氏の傑作「young bad education」「young good boyfriend」(レビュー評価4.9のオススメです!)を描いたダヨオ先生の作品ですね。すごく良かった!申し訳ないけどこの作品についてのシーモアさんのテンション高いあらすじ解説は作品の雰囲気に全く合ってないです。。私が代わりに書きましょう! ほんとうはもっとしっとりして切なく繊細なお話です。どうしようもならない、自分ではコントロールできない人の心の機微を丁寧に描いていて物語にグッと引き寄せられます。
中華料理店員の慧介がお店から時々見かけて気になるひとを、雨が降る中ゲイの出会い場のガード下で拾うところから始まります。大人しそうな外見にも関わらず、拾われてベッドでは激しい一夜の関係を持った会社員の雪文は、実は7年間、年上の会社社長雨津木と不倫関係にあり、雨津木の所有する高級マンションに住んでいた。雪文は雨津木にフラれたとガード下で泣いていたのに、まだ雨津木とのズブズブの関係にあるのを見た慧介は、耐えきれずに雪文を連れ出して自分のアパートに住まわせることにする。慧介との新しい生活を幸せに感じる一方で、雪文は何も持たず荒れてウリをしようとしていた過去に雨津木に拾われ全て与えてもらえて7年間を過ごしてきたので、雨津木から気持ちがどうしても離れられない。
真っ当で眩しい年下の慧介が、雪文を明るい方向へ引っ張っていきます。ガード下で出会えた奇跡。雪文は大事に愛されるべきだと力強く言い切る慧介。下巻でみせる初デートでの雪文の見違える笑顔に心が温まります。
最初、雨津木がすごく嫌な奴のように思えてしまったのですが、離婚もするし、実はただ雪文を好きなだけだったこと、慧介に雪文を攫われてしまって寂しがるし、なるほどこういう性癖もあったのね、ともわかって、お得?な番外編も収録でした。
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