このレビューはネタバレを含みます▼
とにかく絵がキレイです。受けもモテないのは容姿とは関係ないのかなというくらいにはイケメンだし、眼福。つーか、ほんとみなさん書かれてるように絵の圧だけで☆5です。受けの身体に攻めと同じくらい厚みがあるのあんま好きじゃないんですけど、まあいいかと思えるくらいねじ伏せられる感じの絵でした。最後のカミングアウト写真も良き。ただ、ストーリーが、内容や展開が強引とかいう以前に、違和感を覚える箇所が多くて釈然としないまま終わってしまった感じ。二人が惹かれ合う部分も絵のキレイさでねじ伏せられましたが要は龍之介はほぼ一目惚れで真夏斗は絆されですよね。まあ恋なんてそんなもんと言われればそうだけど。マネージャーの態度も最終段階まではあまり愛を感じず、もう少し龍之介を思うが故なんだ的描写があっても良かったような。あれじゃほんとに嫌い合ってるみたいで、よくいる口煩いサポート役になれてない。あと、なぜ車の中でキスするシーンで、わざと龍之介が写真撮りやすくしたのかもよくわからない。意図があるならその後その意図通りに進むはずだけど、読み手としては予想通りの展開が龍之介の予想通りに進んだわけじゃない感じで、じゃあなぜ窓ガラスの曇を拭ったのかすごい謎。事務所の監視を挑発しようと思ったらパパラッチだったってことか?そしてきわめつけが、ミステリアスなイメージだった人が自然体のしかも恋人に向けた笑顔やらを初めて撮らせた写真集はそりゃ売れるだろうしスポンサーの好感度も上がるだろう。それは昔からそうだろう。その手法をやり手のパパが知らなかったとしたらそれも違和感。問題はアトランタから帰って来てからでは。最後の頁の写真の全体とタイトルを公表してそれでもなおスポンサーもファンも離れず主演のオファーも来るなら、そこで初めてめでたしめでたしではないのかな。めでたし早いよね。おいおいこれからだろ、と思ってしまった。カミングアウトしてもなお、自然体売りが世に受け入れられて、それで初めて、世代交代か…って親父が哀愁漂わせるのでは。その他にもちょこちょこ違和感がありました。けど、絵はキレイだった。