Love Jossie きみは面倒な婚約者
」のレビュー

Love Jossie きみは面倒な婚約者

椎野翠/兎山もなか

11巻まで読みました

ネタバレ
2021年2月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても好きなお話です
自分のことを「当て馬婚約者」と勘違いしたヒロインと、逆に自分を「ヒロイン」と勘違いしている新入女子社員、そして本当はヤンデレ気味な程ヒロインを溺愛しているヒーローの3人の勘違いが織りなす物語です。
話のテンポが良く、あっという間にひきこまれます。
1,2巻はヒロイン目線で、ヒーローが「婚約者の義務」を果たそうとしているだけと勘違いして傷つく様子はとても切なくなります。3,4巻はヒロインと勘違いしている新入女子社員目線でヒーローの真意が分かり、5〜7巻はヒーローからのネタバレ。更に8巻からは再びヒロイン目線に物語が戻り、「悪役婚約者」終焉へと物語が動き出します。
途中、ヒーローのネタバレにあった、謀らずもヒロインに婚約の背中を押してしまったエピソードも、ヒロイン側からすると更に隠された想いが明らかになるエピソードで、とても良く錬られている作品だと思います。
新入女子社員も最後めちゃくちゃ良い味を出してくれました。
まるで両片想いのような物語なんだけど、とても切なかったり、キュンキュンさせられたりするお話でした。
単に結末を知るというのではなく、ヒロイン達の心の変化を感じながら、一緒にキュンキュンしながら、是非とも読んでいただきたい作品です。お勧めします。
※追記※
「面倒な婚約者」の意味について分からないという方が多かったので私なりに考えてみました。ヒロインの父親は箱入り娘のヒロイン可愛いさの余り、ヒーローに手を出したら破談という条件を突きつけ、ヒーローはこの条件+ヒロインへの勘違いから、結婚の為にひたすら「上品な婚約者」を演じてました。それなのにある時ヒロインが可愛いすぎてついに手を出してしまったシーンが物語の冒頭部分です。ヒーローはヒロインにベタ惚れで、その後歯止めが効かなくなって2回目に。その夜にヒーローが新入女子社員の前でつぶやいたのが「面倒な婚約者」というセリフ。このような流れ、そしてヒーローの切なげでどこか陶酔したような表情から、私は、「面倒な婚約者」というのは、「婚約者として愛すると問題が生じるから面倒な状況だけど、それでも愛おしくてたまらないから、参るよね」というニュアンスに受け取りました。
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