イグアナの娘
」のレビュー

イグアナの娘

萩尾望都

母と子

2021年2月8日
「イグアナの娘」→主人公のリカがイグアナに見える母は次女ばかり可愛がり、またリカ本人も自分がイグアナに見えている状況。
女だから母性があるわけではなく、家族だから愛せるものでもなく……。リカは最後に母を理解することで呪縛を解き放ち物語は終わりますが、母の方はどうだったのでしょうか?何だかやるせない気持ち。
「帰ってくる子」→次男のユウを失い心を痛める母と、そんな母を見る長男のヒデ。ユウは帰ってきていたのか、それとも幻?
「カタルシス」→悩む浪人生のゆうじVS過保護で過干渉の母親&都合の悪いことは母親任せの父親。子供の頃読んでいたらゆうじを全面支持していたかも。今だと親の言い分も考え7対3ぐらいでゆうじ支持。しかし母親は毒親の感じなので、分かり合えないだろうと思いました。
「午後の日差し」→夫と妻と母と子と。仕方ないですが価値観が古い。しかし今でもまだまだな部分もあり、色々考えてしまいます。
「学校へ行くクスリ」→ある日世界が違って見えた主人公。とある薬を飲んだら……。変わった話。
「友人K」→主人公の男はKのことが気になって気になって……愛?全体的に重たくしんどい短編集。母と子の軋轢や葛藤の話がまとめられた1冊。
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