人魚姫の偽りの結婚
」のレビュー

人魚姫の偽りの結婚

キャサリン・マン/米谷たかね

ヒロインにもヒーローにもモヤモヤ

ネタバレ
2021年2月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
DV夫と離婚し、野生動物保護活動センターで働くヒロイン。就労ビザ切れで本国に戻らねばならないことを悩んでいたヒロインに、センターのオーナーであるヒーローが子供の親権確保のための契約結婚を持ちかけてくる。ヒーローに片思いしていたヒロインは愛の伴わないプロポーズに落ち込むが、仮初でもヒーローの妻になれるならとそれを受け入れる。
最初の方で人間関係と時系列がわかりにくかったが、ヒロインは自分の離婚後に、妻子持ちヒーローと出会って妻が亡くなる前からヒーローを好きになっていた設定。この時点でちょっとヒロインへの心証マイナス。働いたり、子供の世話をするシーンではハキハキしてるのに、ヒーローが絡むと悲劇のヒロインぶってうじうじになるのも鬱陶しかった。
一方ヒーロー。契約を持ちかけた時の心情は後半まで伏せられていたが、申し込んでからは周りを納得させるためとヒロインにベタベタ。結婚式後も結婚したからそういうことしてもいいはずと言ってヒロインに手を出す。ここまでヒロインに一切気持ちは伝えず、ヒロインの元夫とゴタゴタした後でようやくヒロインに前から惹かれてたと告白。告白が遅いわ! この事件なかったら、この告白更に延ばす気だったんだろう。なんというズルい男。それでいて亡き妻と同じくらい愛してるという。妻が亡くなったの一年前じゃなかったっけ? 他に心うつるのいくらなんでも早過ぎませんかね? 告白見てから読み返しても婚約中のヒーローの態度がヒロインの気持ち弄んでるみたいでムカッと。最初からまともに告白しろよ。
最後は両思いハッピーみたいにしてるけど、これでまたヒロインが早々に亡くなりでもしたら、また一年後には別の女と再婚しそうなヒーローの描かれ方で感動がなかった。
やっぱり再婚ものとかはもうちょっと気持ちの整理をする時間をとって欲しいかな。完全政略結婚ならともかく、ヒロインが憧れるほどの理想の夫婦で、妻の夢であった保護センターまで建ててその存続にがんばるほどヒーローは亡き妻を愛してたらしいのに、子供に関する問題があったにしても流石に一年経たずでヒロインに心を移して再婚はないわ。
ヒロインの既婚者に片思いというところも立場乗っ取りか寝取り願望っぽく見えるし、ヒーローの愛もヒロインの愛も夢が無くて、見てて全くときめきがなかった。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!