たんたんとタント【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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たんたんとタント【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

きはら記子

まさに恋のグラデーション

ネタバレ
2021年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さん。田んぼの蛙がゲコッと鳴くような穏やかな田舎町。カラオケもゲーセンもないところで、思春期男子の食欲が盛んであり、時間をもて遊べば性に関心も向くのは自然な事。小さな小屋で秘密を共有するだけで、ドキドキが増しそうです。二人にとっての秘め事は、単なる性欲処理ではなく、瞬平には恋心が絡むから複雑ですよね。友だち以上恋人未満。コタには少し恋に無自覚で幼い感じです。進路を考えると、田舎町を出て行く若者が多い中、いつまでも一緒にはいられない。いつまでも子供でいられない。瞬平の焦りとか、苛立ちが手にとるようにわかります。離れて気づく自分の気持ちに混乱するコタもわかります。なんかアオハル~って感じでキュンキュンします。幼なじみで、一緒にいる事が当たり前で、その友情から恋に変わる過程がいいですねぇ。瞬平のお母さんが、うっすら気づいて心配している様子でしたが、瞬平の覚悟は揺るぎないものなので温かく見守ってあげて欲しいですね。初めて二人が結ばれた時、幸せに出きると胸に誓った瞬平がカッコいいです。もちろん、がっしりと思いを受け止めたコタも男前でした。
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