愛しさは胸に消えず
」のレビュー

愛しさは胸に消えず

梅太郎

切なくて悲しい不老不死

ネタバレ
2021年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 〈人魚の肉〉を食べ不老不死となった哀しみと苦しさを、大正〜昭和〜平成と生き続け出会う人々とのオムニバス。

知らずに食べた人、救う為に食べさせた人、食べさせられた人…殺されても自死しても死ねず、外傷の治癒力はあっても心の傷は残ったままって残酷すぎる。仄暗い空気を漂わせながらも、シリアスすぎない話なので読みやすいです。

大正時代から重い十字架を背負ったまま一人で生き続ける藤江さんにも、遠海さんとの思い出ごと受け入れてくれる人が現れるといいけど、それも寿命が来て遺されるのよね。哀しいな〜
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