うそつきあくま
」のレビュー

うそつきあくま

雁須磨子

ルサンチマンと服の柄

2021年2月16日
初読みの作者さん。クーポンがあったので、表紙とタイトルに惹かれて、立ち読みもせずに購入したのですが、思ったよりも中の絵がラフで、「んんん、好みではなかったかも・・外しちゃったかなー」と思いました。でも、読み進めると、ストーリーが面白くて、引き込まれ、上下巻あっという間に読み終わりました。絵の好みを凌駕されました。
漫画家同士のお話で、同業者としての嫉妬や劣等感、プライド、そして恋愛感情が複雑に絡み合う心理描写が、読み手に伝わってくるものでした。すごい。終盤の流れも好きでした。余利が宇郷の立場になって気付くこと、今更のように現れた宇郷に対する余利の反応(リアリティがあって、私もゾッとしました)、初めての本音。ちょっと泣きそうになりました。大人の男の仕事と恋愛、とても良かったです。レビュータイトルは、作中に出てくる言葉と、私がめっちゃ気になったことです。
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