このレビューはネタバレを含みます▼
生きているうちに,ナカバとロキが兄妹だと明らかにする展開があればよかったと正直思います。
自らも王族の血を引くのに王族の恥のように疎まれ,妹を妹と呼べず従者という立場でしか側にいられない。
本当に,孤独で辛い生き方をずーっと続けながら,その一方で亜人と人間の行く末を考えてきたことを思うと,ロキこそが真に王だと思いました。死後の回廊でさえ兄妹で呼び合うことが叶わなかった(叶えてほしかった)のがとても寂しい。
ナカバは愛するシーザーに愛され子を身ごもりを幸せを手に入れたのに,ロキは最期まで孤独と暗闇(妹を愛する一方で憎しみの感情も持たなくてはいけなかった)の中にあったことがどうしても受け入れがたい。耐えて尽くしてなお暖かな幸福な時間と無縁というのは悲しい,正直バットエンドでした。