響~小説家になる方法~
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響~小説家になる方法~

柳本光晴

サブタイは何だったのか

2021年2月20日
ざっくり言うと、天才文学少女が無双して狂信者を増やしていく話( )。
正直かなりファンタジーというかギャグ漫画かのようでした。
純文学の若き天才が才能で世界中を震撼させる!みたいな話かと思いきや、途中から(最初から片鱗を見せてはいたが)ヤンキー漫画かのごとく、とにかく全て暴力で解決!(ただし警察沙汰にはならないし非難もされない)が前面に押し出されてきて、この作品は一体どこに向かっているのだろう…という感じに。
全体的に主人公の響だけに都合の良い世界で、「響すごい」に持っていくための無茶苦茶なバトル展開が多いです。
それはまあ良いとして、周りにすごい!天才!と言わせているだけで、響自身も小説も何がすごいのか読者に伝わってこないのは致命的だと思いました。
説得力がないからこそ、響というキャラクターがただの癇癪持ちの暴君にしか思えないというか(それがあっても人としていろいろ欠けてるキャラですけどね)。
ちなみに人格が破綻したお偉いさんが悪役としてバンバンでてきますが、響自身も人格破綻者なので悲壮感は全くありません。
天才が故の苦悩もないので、そういった意味ではあっさりと読めます。
ワンパターン化しようと、無理矢理な展開であろうと、どうしても暴力で場を収めたい!という執念を感じましたね。
響の世界、暴力や犯罪が横行していて怖いわ。
周りの評価など気にせず自分を貫き通す姿勢は、誰にでもできることではないし格好良いとは思うけど、気に入らない人間を片っ端から鉄拳制裁できる主人公カッケー!みたいな、陳腐な俺TUEEE作品を彷彿とさせられました。
まあ文学少女×暴力(物理)というある意味他と差別化された作品ではあるのかも。
絵は13巻かけても上手くなりませんでしたね。むしろ劣化してません?何があったんだろう。
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