noe67~笑わないセクサロイド~ 【電子コミック限定特典付き】
朔ヒロ
このレビューはネタバレを含みます▼
これは佐我の一目惚れだ。いくら子供の頃からロボットが好きで、アンドロイドのクリーニングが生業といっても、友達になりたいと言葉にした時には間違いなく恋に落ちている。ノエの美しさに心を奪われたのは、読んでいる私も、だ。
舞台は211X年頃、VRは当たり前、アンドロイドはAIにより更なる意思や感情を持ち、人間社会に溶け込んでいる。そんな時代でも愛し愛されると、相手の役に立ちたい、相手を守りたい、傍にいて離れたくない、誰にも(何にも)渡さない、と思うのだ。
廃棄された理由も分からないままのノエ、仕事の腕は良く尊敬していた父に捨てられた佐我、二人の根底には悲しさや淋しさがある。それ故、互いの優しさにすぐに気づき、大切に思う。真実の愛はいつの世も不変なのだ。
この作家さんは大人になってアンドロイドが大好きになったそうだが、SF物に詳しい様子で、作中の諸々の設定に説得力がある。
何度読み返しても最後のシーンの言葉は胸に響く。対男性用男性型セクサロイドのノエと、人間の佐我が抱き合うシーンは愛に満ち、幸せな読後感だ。
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