三人のメリークリスマス
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三人のメリークリスマス

橋本多佳子/エマ・ダーシー

記憶喪失ものは嫌いだが、これはオススメ

ネタバレ
2021年2月23日
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記憶喪失ものはハズレというかムカつくようなひどい内容のものが多いが、こちらは大当たりで評価が高いのも納得。
ヒロイン16歳(と言っても出会い時は年齢を偽っていたが)、ヒーロー22歳で出会って運命的な恋に落ち、4年後に結婚を誓って旅の途中だったヒーローはヒロインのもとを離れるが、ヒーローはその後事故に遭い記憶喪失に。同じ頃ヒロインは妊娠が発覚してヒーローを訪ねるが、ヒーロー姉にヒーローとの面会を拒絶され、ヒロインの素性を知るヒーローの知り合いも捕まえられず、頼る大人もいないヒロインはヒーロー姉の言うままに生まれたばかりの娘をヒーロー姉の養女として差し出すことになる。
それから十三年が経ち、ヒーロー姉夫婦が亡くなったことがきっかけとなり、娘が自分が養女と知ったことから物語が動き始める。
実の親子なのに三人親子として過ごせないシーンが切なかったり、記憶のないヒーローが自分自身に嫉妬するシーンは歯痒かったりと、いちいち感情移入してしまうエピソードの入れ方がいい。
ヒーローが何故16歳の子を妊娠させて離れたのかの謎もわかるとすっきりしたし。
とにかく時の巡りというか運が悪かったヒーローとヒロインだったが、これからは幸せになってほしいと思う親子であった。
ただ、ヒロインの13年の苦労を思うと、同期間に姉の庇護下でのんびり過ごしてたらしいヒーローには若干ムカつくが。あとヒーローがヒロインの部屋の娘の写真見て引くところと、妊娠を知らせなかったことに怒るシーンも残念ポイント。それ以外はヒーローもよいヒーローだし、娘は可愛いし、総じて暖かい良い話だった。
傲慢ヒーローとかドロドロ恋愛劇に疲れた時にもオススメ。
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