吉祥天女
」のレビュー

吉祥天女

吉田秋生

彼女の正体

2010年4月20日
レビュー評価が高いので読み始めた。

最初はそれほど、小夜子に魅力も怖さも感じなかった。だが読み進めるうちにゾッとし、惹きつけられていった。

彼女の冷酷とも思える行いは、彼女の美貌や生い立ち故、寄ってくる欲深い者たちから身を守るため。そして自分が失ってしまった大切な『何か』を守るため。。

彼女の内に秘めたるものは冷たく深く、そして哀しい。
しかし彼女は、弱く純粋なものたちへの愛と慈しみも持ち合わせている。
それ故、戦う。

彼女の本当の『美しさ』それは、力に屈せず残忍なまでに自分の生き方を貫く、その凛とした姿なのかもしれない。
そして彼女が命懸けで守りたかったものとは。。

-『真実』それは、見る者や角度によって大きく異なる。

彼女が『天女』『怪物』、はたまた、ただの『17歳の少女』だったのか、それは誰にもわからない。

※ 読むのなら、最後まで通して読むのがオススメです。
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