盗賊王の溺愛花嫁【特別版】(イラスト付き)
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盗賊王の溺愛花嫁【特別版】(イラスト付き)

小中大豆/石田要

育まれる運命

2021年2月24日
運命の番でありながら、受けが運命を感じられず、攻めの求愛に対して、運命とは何か、愛するとは…をじっくり考え、またそんな受けを攻めも焦らず待ち、お互いの気持ちがちゃんと育まれるまでを描いた物語です。オメガバースでよくあるオメガが理不尽に襲われるシーンはありませんが、国政や権力争いなどが絡んで壮大なストーリーに惹きこまれました。朱璃が、初めの数十ページは高慢でわがままで世間知らずな皇子に感じられることが多いのですが、意に沿わない結婚を受け入れたり、長旅を共にしてくれた臣下たちへの言葉がけに、強さと優しさが出ていますし、その後はどんどん素直さや努力家な面が伝わってきていい子だなぁと思えました。オメガだから不憫で、というのではなく、ただただ頑張り屋さんの朱璃を応援したくなりました。アータシュは本当に溺愛で、辛抱強い。そんな彼が朱璃の危機に涙するところはぐっときます。アータシュの味方の臣下たちも面白そうなので、スピンオフで読みたいです。その中で甘々のこの2人もチラ見できたら嬉しいです。
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