このレビューはネタバレを含みます▼
「深潭回廊」2巻を読んでから、浮上できなくて、もう、いっそのこと、この作者さんの沼に浸かってしまおうと思い、こちらの作品を。このタイミングで1巻無料、他巻もポイント還元に行き当たるとか読むべき運命。そして、途中で吐き気がするような、胸の悪さを覚えながら、ようやく読み終え、しばし放心。(追記:読後感は悪くないですので!)クラスメイトの目が怖い、近所のおばさんたちの目が怖い、「スメルズライクグリーンスピリット」でフォローさんがおっしゃっていたことが、刺さります。心配という名の好奇心、かわいそうという名の優越感。噂話、暇つぶし、退屈しのぎ、ほんとのところは無関心、他人なんてどうでもいい、他人の不幸は面白い。なんて正直な女子高生たち。七子と民子の母親に、「あ、また毒親」って思ったけど、最後の梨香のモノローグに、「毒親に殺された子ども」では済まされないものを投げかけられた感じです。「じゃあ、あなたは?あなたはどうなの?」と。「深潭回廊」のときもそう問われた気がしました。ネタバレしたくないので、書けないですが、最終巻のネタは、本来なら好きじゃないもの。でも、この作品は、それがなければ成り立ちにくかったし、引っ掛かりもないです。タイトル通りだなと思いました。もう、この作者さんの沼なら、進んで沈もうと思います。