錆のゆめ 左
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錆のゆめ 左

久間よよよ

薄氷の上の幸せ

ネタバレ
2021年2月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 元々ファンタジーみたいな、でもあり得ないわけでもないえぐい上下巻でしたが、左右も夢のような優しい世界に少しの現実が混じっていてゾクゾクしました。
今後も耳を取らずに生活していけるのかとか、戸籍上死亡したことになっていそうだが健康保険とか学校?とかどうするのかとか、としおさんだけ成長が止まってて不審に思われるだろうし進藤が死んだらとしおさんはどう生きていけば・・とか、色々考えてしまいました。妖怪とか神様ものだと妖怪側のパワーで妖怪側か人間側かに統一されてハッピー!という結末が多いですが、こちらはそんな展開も期待できず。モヤモヤするんですが、だからこそ今の何気ない幸せが薄氷の上のように儚くて尊くて泣けます。
としおさんは感情がストレートなんですが進藤もつられてストレートになるのが可愛いです。この人たち愛し合ってるらしいですよ。
あと読み順は左→右から左に戻って、さらに上下を読み返すといいと思います。どの瞬間も尊いです。
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