向ヒ兎堂日記
」のレビュー

向ヒ兎堂日記

鷹野久

ほのぼの×謎解き妖ファンタジー

ネタバレ
2021年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 妖と共に暮らす訳アリな人間の伊織と、陰陽寮の過去と思惑、その二つの運命が交錯していく物語。
法律により妖関連のものを陰陽寮に取り締まられるという世界観で、明治時代の歴史を上手く妖と絡めていて入り込みやすい。
ほのぼのとした展開の中に散りばめられた伏線が見事だし、謎がどんどん解けていくテンポの良い展開、後半にかけての緊迫感に目が離せなくなりました。
ただ、ドロドロした腹の探り合いとか、妖との激しいバトル展開とか、そういったものは無いので、人によってはあっさりしていて物足りないと感じるかも。
こうと決めたらその展開まで一直線に向かってくれる作品というか、でもご都合感はなくストレスフリーで読めますよ。
そしてまさにタイトルに戻るといったラストが素晴らしく、その後どうなったのか気になる点もありますが、余韻たっぷりで私は満足です。
絵のタッチが繊細で魅力的、かつ着物の描写が丁寧なのも見所です。
主人公と妖の絡みも見ていて楽しいし、人も妖もみんな魅力的なので、妖作品がお好きな方はぜひ手に取ってみてください。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!