異世界で保護竜カフェはじめました
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異世界で保護竜カフェはじめました

かわい恋/夏河しおり

何故キムチに生クリームをかけるのか問題

ネタバレ
2021年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ という感じの違和感があります。正直。
現実で不遇をかこつ少年が不思議な本に導かれて絵本の世界へ。けれどそこは夢見たような理想の世界ではなく…ってこれ本来は残酷童話系の話だと思うんですよ。人間存在の業とか明暗のコントラストに旨味がある言うなればキムチ。そこになぜか異世界カフェという日常系ほのぼの癒やし生活体験が肝の生クリームを混ぜたせいでどっちに寄って読めばいいか迷子になるという…。
それでも魔法の本屋とか竜のいる童話的異世界とかイケメン紳士の攻とか魅力的なギミックをうまく仕込んであるし、受の視点から追うことでなんとなく受の成長ものっぽいテイストに落としこまれてるので面白く読めないこともないのが作者さんの筆力なのか。
ただ残酷童話にほのぼの路線を混ぜた弊害なのかオチがものすごい違和感というかエッそれ問題あんまり解決してないってか火種残し過ぎじゃね感が。とりあえずいくら旦那の身内でもあれだけ明確な悪意をもって自分と旦那の命と地位を脅かしてきた相手に「これからは良い嫁になって義父の顔もたてますから殺し合いは水に流して仲良くしてね」は通用するもんなのか。今度何か自分の常識に合わない無理を強要されたらどうすんの?と思わなくもない…。
まあそのへんの違和感を気にしなければ不憫な受が苦労して成長してイケメンと幸せになる王道ストーリー(序盤に攻以外との性的絡み(本番なし)あり、ややグロ描写あり)です。受と一緒にハラハラドキドキしたいタイプの方には面白いかと。
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