このレビューはネタバレを含みます▼
漫画家さん買い。
綺麗め美人顔のヒロイン。本人の憧れはふわふわお姫様だった故に、理想と現実のギャップにショックを受けてお姫様を諦め、女性の理想の王子様を演じていた。就職しても変わらずでいたが、ある日同期女性にはめられそうになったところを上司ヒーローに助けられる。更にヒロインのコンプレックスである顔を肯定され、武器になるとアドバイスされる。ヒーローの後押しを受けてヒロインは5年後見事に変身を遂げ、営業部の女神と称されるほどになるが…。
背中を押してくれたヒーローに惚れるエピソードは納得の出来だし、ヒロインの変身ぶりもよかったし、二人が急接近するあたりまでは非常に楽しく読んだ。
が、酔って一夜を共にした翌日。昨夜のあれこれを覚えておらず困惑するヒロインに、キスしたヒーローが「思い出すまでこの先はお預け」と告げて、以降仕事以外の接触を絶って放置プレイかまし始めたあたりからじわじわとおかしくなっていった。ついで、立ち聞きでヒーローが政略結婚すると思い込んだヒロインは勝手にヒーローを諦めるモードに突入。いやいや本当にそんな話あったなら、あのヒーローがヒロインにキスまでして粉かけるようなこと言わないでしょ。5年も片思いしててその解釈はひどいし、社長子息でもない一部長を政略結婚に使う会社とか、今時パワハラで訴えられる案件だと思うのにそれが当然と思ってるっぽいヒロインの思考にもついていけなかった。それに加えて諦めるために見合いやら好きでもない相手と結婚を考え出すのも、後輩に見合い相手を婚約者かと聞かれて、説明が面倒だからと婚約者だと答えるヒロインの神経も全く理解できなかった。これで営業、主任職とかいやはや。とても交渉力がありそうには見えない。
ヒーローのほうも30後半に差し掛かってそうな男が、それまで目端がきくフォローの光る大人だったのに、急に放置プレイでヒロインに逃げられかける間抜けになったのも、すれ違いのために作者がわざとアホにしました感がすごくてダメだった。話の展開のためにそれまで賢かった登場人物を急に空気読めないアホの子にするの本当やめてほしい。
ライバル後輩女子も、実は二股、支離滅裂女だったしなあ。あれで本来は本編のヒロイン(今作はそのスピンオフ作品)らしいのが恐ろしい。
最序盤の二人が良かった分、話都合でキャラ劣化によるすれ違い展開にされていたのが本気で残念な話だった。