ひたすらに美しい





2021年3月2日
Aに続いてのB。Aと同じく1編のみの物語もあれば、Aから続くものもありますので、Aから読むことをおススメします。アリス少年は、AあってのBです。Bも私のツボを突きまくりで、本当に好き。Aにはなかった日本のお話も面白かったです。系統が違うようでいて、少しも違和感のない物語の発想に感嘆します。(名探偵の少年助手がね、もう・・くすぐられます)そして、A,B通してベースにある美しさに目を奪われます。飾られた爪のディテール、巻き髪の曲線、レースの一襞、睫毛の1本1本、こぼれる涙の粒、あげればきりがない、耽美的でやわらかい世界にうっとりします。Aで言えば、目玉焼きでさえ、美しさの象徴のようでした。でも、明日美子先生の魅力は、絵だけではなく、洗練されたセリフにもあると思います。言うべき人が言うべき言葉を発しているという、収まりの良さ。宝物箱のようであり、宝物箱に入れたい短編集です。

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