シュガーウォール
」のレビュー

シュガーウォール

ninikumi

Adolescence

ネタバレ
2021年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっと理由あって、毛色の変わった作品を読んでみた。

なんだろう。ある意味、とてもadolescenceなのだと思った。この単語の意味は「思春期」というのが一般的だけれど、子供から大人への「過渡期」と言うのが正しいのでは?と常々思っている。登場人物の同級生3人とゆんちゃんの幼馴染の黄路は、4人共、人とのコミュニケーションが下手だ。そして、突然現れた黄路が何をしたかったのか?読み終えてもわからない。復讐?とも思えないところがある。そうなのだ。他の3人もまた、自分が何をしているのか、したいのか、わからないでいる様だ。大人になりきれない、でももう子供でもない4人。その時間はまさにadolescenceな時間。別の意味で「青春」とも言われるが、キラキラした感じはない。キラキラを持てずにいる4人の話。6巻で、高校時代から大学なのか社会人までを描いていて、途中の時間が抜けているのだが、最後でも少なくともゆんちゃんと黄路は大人にはなれていない。ただ、ゆんちゃんは黄路が死なないでほしいとは思っている様だ。それは、大人になろうとする新たな一歩なのかもしれない。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!