このレビューはネタバレを含みます▼
最初に書きたいのは、続編「あやまちは紳士の嗜み」をセットで読むことをおススメしたいということです(本作が受け付けないとかでなければ)。私は、本作もとても好きですが、ともすれば消化不良感が残るかもしれません。でも、続編の「あやまちは紳士の嗜み」で紐解かれることで、本作の印象も変わるのではないかと思います。
改めて、本作について。私には作画も作風もツボなのですが、何より、言葉と会話のセンスに引き込まれました。実は、ラストも消化不良どころか、"How cool!"と、かぶれてしまうくらい痺れました。妻子あるのに、仕事で1年の半分は別居なのをいいことに、自分の性的嗜好に対してアクティブな教授は、浮気にも不倫にも罪悪感なんて感じている風ではなくて、「真夜中のアイスクリームはなかなかやめられない」なんて、いけしゃあしゃあとのたまって、教え子ジョナサンに手を出すのです。やってることは、ジョナサンの言う通り、最低なのに、なぜか憎めない。これも恋と同じで、理屈ではないのかもしれません。アメリカンジョークを交えながら、コミカルに話は進みますが、恋愛も結婚生活もゴールなんてどこにもないし、正解なんて分からないし、幸せって何だろうと考えさせられます。